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ワインの楽しみ方を考えてみるページ


            その3  一度栓をあけたワインは飲みきらないとダメ?


 栓をあけるということは、ワインが空気におもいっきり触れる状態になるということ
で、これ以降ワインの酸化がどんどん進行するということです。
ワインの酸化が進むとそのワインの味は少しづつ、あるいは急激に変化します。
どのように変化するのかはワイン1本1本で異なりますが、その変化は通常「劣化」
と考えられています。
 
 開栓後「劣化」を始めるワインの中には、味の変化の急激なもの、つまり劣化の
早いものや、逆に劣化の遅いものなど、様々なものがあります。つまり、開栓後、
なるべく早く飲んだほうが良いワインや、ゆっくり飲んでも美味しく楽しめるワイン
などいろいろなタイプのワインがあるということです。
                       
 それどころかワインの中には、飲む6時間前とか、12時間前(!)に栓をあけてお
かなければならない(?)と決められている(??)ものが多くあります。
つまり、開栓直後の少ししか酸化していない状態よりも、開栓後数時間を経た、
より酸化の進んだ状態のほうが美味しいワインがあるということです。
 
 それらは一般にはボルドーの高級ワインなどを飲む時に言われることなのですが、
実際にはそのような飲み方をした方が美味しいワインはたくさんあります。
私の経験で言えば、2,000円以上の濃厚なタイプの赤ワインで、ヴィンテージもの
(古いもの)でなければ、ほぼこのタイプのワインと言えると思います。これらのワイン
は、大抵本当に美味しくなる前におなかの中に収まってしまっているということです。

 赤ワインをよく飲まれる方はこんな経験がありませんか。一杯目のワインを飲んだ
時、「うん、まあまあかな、これくらいなら許せるな」ぐらいに思いながら、あまりたいし
たことのないワインには注意を払わず、おしゃべりやテレビに夢中になり、いつしか
ワインは最後の一杯。
さあ、このワイン、片付けてしまおう、と飲んでみてびっくり。「あれ、このワイン!
こんなにおいしかったっけ??もっとゆっくり味わって飲めば良かった・・・・」。
 
 
 こんな経験があります。
某ビールメーカーの営業の方から、ワインのサンプルをいただいたときのこと。
確かオーストラリア産の1,000円前後のワインだったのですが、たいして厚みも
重さも感じられないのに、渋味と苦味だけが突出した、バランスの酷いワインでした。
とりあえず一口以上は口にする気になれず、試飲コーナーに置いておきました。
 
その後2日目、3日目と試飲したのですが、やはり渋味と苦味ばかりのワインで、
そのうち試飲することもなくなり、捨てるのをめんどうに思っているだけの状態に。

 2週間ほど過ぎた頃「まだこのワイン捨ててなかったのか、もういいかげんに捨て
ないとお客さんがまちがって飲んでしまったら大変だ」と、ようやくこのワインのことを
思い出したのです。
ワインを捨てる時は、どのような味になっているのか、必ずチェックするようにしてい
ます。劣化したワインの味を覚えるのも大事な勉強なのです。
香りは、やや劣化や酸化の進行を思わせる臭いがあるものの、以外なほど健全な
状態。おやっ、と思いながら口に含んでみてびっくり!!
 「おっ、おいしいっ・・・・!?」
渋味や苦味はなく、なめらかかつまろやか、熟した果実、コーヒーやチョコレートを
思わせる凝縮した味わいのある、バランスの良いワインに変身していたのでした。
その日はこのワインをいろんなお客さんに味見してもらい、そのワインについての
エピソードで盛り上がりました。そしてそのワインは捨てられることなく、最後の一滴
まで、美味しく私たちを楽しませてくれました。

 このワイン、結局仕入れませんでした。「開栓後、1週間から2週間お待ち下さい」
というようなアドバイスはできませんから・・・・・。
 

 私自身、普通の人(?)よりアルコールに弱く、あまり量は飲めません。一度に飲む
ワインの量はせいぜい200mlぐらいです。 いつも二人で飲むので(相手も下戸の
ワインアドバイザー)一度にボトル半分。
残りは翌日か、一日、二日置くこともあります。
それに複数のワインを飲み比べるために、一度に2、3本栓をあけることもしばしば
なので、1週間前にあけたワインを飲むことなどしょっちゅうですし、2週間前にあけ
たものを飲むこともよくあります(美味しくなっていることはほとんどないですが・・・)。

 でもこのような飲み方は仕方なくやっているわけではありません。(うそ!!)
 
 素晴らしいワインに出会った時、私たちは自分の許容量を超えて一本空けそうに
なることがあります。
そんな時、「ちょっと待て。これは明日になったらもっと素晴らしいワインになってい
るかもしれない。」と、あえてそれ以上飲むのをやめるのです。

 そして翌日、予想通り、いや予想以上に良くなったワインほど美味いワインはない
というわけです。 
でも・・・・昨日のあの素晴らしさはどこへ行ってしまったの・・・・ということも・・・・・。 

 私たちの場合、ワインを飲むとき、そのワインはどのような個性を持っていて、
どのように酸化が進み、酸化によってどのように変化するのか、といったことを、
確認するためにも、あえてこのような飲み方をします。 
そのようにしたうえでないと、そのワインをお客さんにおすすめする時に、 適切に
アドバイスできないことがあるからです。

 もちろん、このような飲み方は一般的なワインの楽しみ方とは言えません。
今日とても美味しいワインを無理に明日までおいて、わざわざまずくしてから飲む
必要はないですから。
でもワイン好きのお客さんの中には、開栓後、すぐに味をチェックし、飲み頃時期
を自分で判断しながら、二日、三日と楽しまれる方が結構いらっしゃいます。
せっかくの1本なのだから、やっぱり「一番美味しい味」を味わいたいのです。

 一度栓を開けたワインは、普通劣化が進むので、「飲み残し」は、酸化を防ぐため
に小さい容器に移し替えたり(移し替える時におもいっきり酸化しますが・・・・・)、
カクテルにしたり料理に使うようにするというのが定説です。
 もちろんまずくて飲めなくなっていたり、最初から好みでないワインなどは料理に
使うのが良いと思いますが、一晩、二晩の飲み残しならまず味わって見て下さい。

 ワイン好きの間では密かに(?)酸化したワインが楽しまれているのです。
 
 
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